R4学科試験に合格した時の結果と、試験までのアウトプット(問題を解く)とインプット(知識を入れる)で何をやってきたか簡単にまとめています。
ちなみに合格当時の私は、時短とは名ばかりのばりばり共働き社員で子どもも未就学児含め3人います。勉強法は様々ですが時間がなかなか取れない中、独学で学科突破を目指されている方の参考になればと思います。
学科試験結果
計画はギッリギリでしたが総合98点でなんとか合格できました。法規を大きく伸ばせたのが勝因だったと思います。※比較のため前年(R3)の得点も載せておきます。
計画 | 環境・設備 | 法規 | 構造 | 施工 | 合計 | |
R4 得点 | 12 | 17 | 27 | 26 | 16 | 98 |
R4 合格基準点 | 11 | 11 | 16 | 16 | 13 | 91 |
R3 得点 | 8 | 11 | 18 | 22 | 18 | 77 |
R3 合格基準点 | 10 | 11 | 16 | 16 | 13 | 87 |
学科当日までにやったこと
勉強開始したのはR3の学科試験(7/11)が終わってすぐの7/13。R3の試験はオリンピックの開催があり日程の調整が行われている年だったため、以前の日程よりも早く学科試験が行われました。
アウトプット① 速学(アプリによる勉強)
私は速学というツールを利用しました。別記事でも軽く紹介していますが、スマホでも隙間時間に勉強できると言うツールです。※詳しくはリンクを参照
私は独学での学科突破を目指していたため、スマホでできるツールを基本的には活用しています。もちろん、法規など法令集を引かないといけないものや、構造の力学計算などは机に向かって勉強しました。しかし、寝かしつけの合間や、通勤時間、昼休みにスマホひとつあれば勉強できると言うこのツールに大変助けられました。問題も一問一答形式になっていますので、計算問題でなければ1問30秒以内でテンポよく解いていくことができます。下記の画像は速学で解いた問題数と時間です。休憩時間などは時間を止めてカウントしましたので勉強に費やした純粋な時間と問題数です。
合計は35,877問 322時間44分、12年分の過去問5周弱でした。(年内に2周完了、6月中旬に4周目完了)
画像を見ていただくとわかりますが、途中で何度も心が折れています。1月と4月とどちらも仕事の波や家事育児でいっぱいいっぱいになり体調を崩し勉強0の日が続く。もう完全に折れて勉強放棄してます…。その他も、家族全員コロナになって自宅療養になったり…。ただ、心が折れても折れても立ち上がりなんとかゴールできた。そんな感じです。
ただ、時間と問題数だけ見るとそんなに多くはありませんので、年明けから勉強を始めた人でも毎日コツコツやれば全然こなせるのではないかと思います。注意点は全力で頑張ってこなせるスケジュールを組んでしまうと、私のように心折れたり体調崩した時に挽回で効きませんので、心は折れるもんだと思って余裕をみてスケジュールを組んでいただければと思います。
仕事が忙しくなったり、嫌になったり、体調崩したりは人間なんで誰しもあります!
逆に言うと「4ヶ月で死ぬ気でなんとかしたい!」と思う人であっても、こなす問題数と時間を確保できるのであれば、何とかできるのではないかと思います。
最近では別の資格試験等にチャレンジして思うのですが、スタートが人より遅いと締め切り効果が得やすく、直前のため記憶も残りやすい事から、一般的に言われている勉強時間時間を圧縮する事が出来るなとすら感じています。
アウトプット② 大手資格学校模試
模試のスケジュール
私は総合資格のオープン模試①②③と公開模試④を受けました。
R4は4・5・6月にオープン模試(無料)があり、7月に公開模試(有料)がありました。模試はWEBでも受けることが出来ましたが、私は本番の雰囲気が少しでも感じられるように教室での受験を心がけました。
会場受験だと「意外と空調が効きすぎる場合もあるか。」とか「動作音が大きい人もいるのだな。」というのが気付けてよかったです。個人的にはWEBでクリックするのと教室でマークシートを塗りつぶすのは違った雰囲気があると思うので1回は教室での受験をお勧めします。また自分の実力を計るマイルストーンとしても4月から毎月模試を受ける事をお勧めします。
模試の点数
4月のオープン模試を受ける時点で問題集を3周終えていたという事と、オープン模試自体がほぼ過去問に沿った内容である事からオープン模試は全て100点を超えていました。6月の模試は法規満点という、過去無かった事を実現させました。
計画 | 環境・設備 | 法規 | 構造 | 施工 | 合計 | |
4月オープン模試 | 17 | 13 | 27 | 27 | 18 | 102 |
5月オープン模試 | 17 | 15 | 23 | 24 | 23 | 102 |
6月オープン模試 | 18 | 18 | 30 | 25 | 19 | 110 |
ところが!とんでもないことが起こりました。最後の7月の公開模試(有料)での点数が
計画 | 環境・設備 | 法規 | 構造 | 施工 | 合計 | |
7月公開模試 | 15 | 11 | 21 | 23 | 14 | 84 |
もうこれはとんでもない事で、自信のすべてが消し飛びました。本試験であれば間違いなく不合格です。特に施工が見た事無い問題がかなり有ってメンタルが大変なことになりました。
模試の見直し
危うくメンタルブレイクを起こすところでしたが、これはいい経験になりました。確かに見た事ない問題も沢山有りましたが、過去問を丁寧に読み解き理解していれば解けた問題だったと気付いたのです。また、資格学校オリジナルの新出問題についても見直しをすることで心を落ち着かせることができました。
今まで過去問ベースの模試で得点できていたことで若干調子に乗っていた自分にも気づくことができました。過去問ぶん回しはとても効果的ですが、一方で問題を覚えてしまうというリスクもあります。
そこからは、過去問だけを早押し方式でどんどん解いていくのではなく、穴埋め問題で解いてみるなど、過去問のニュアンスで覚えてしまっている問題を別の角度から解くという方法で潰していきました。速学にそういった機能が実装されていたのがとても助かりました。
本試験まで残り10日というところでしたが、過去問より穴埋め問題を中心に理解を再度深めたことで今回の学科突破に繋がったと思ってます。過去問を何周もするのは学科試験を突破する上でとても重要ですが、ニュアンスで問題と答えを勘違いして理解してしまっているというのはよく有ります。また、同じ問題を解くので、問題自体は正答できますが自分が理解できていないと言うことに気付かないケースがあります。過去問3周終わったくらいにインプットも入れ込んでいくのが良いと思います。
インプット① 市販の参考書
アウトプットが一番大切ですが、後半はインプットも意識します。独学なので配布されるテキストはありません。もちろん問題を解きながら都度、解説は読むのが大切ですが、速学のテキスト以外でインプット利用していた物をピックアップします。
一級建築士受験 スーパー記憶術 新訂版
「一級建築士受験スーパー暗記術 新訂版」(原口秀昭先生著)これはもはや私のバイブル。法規以外の計画・環境設備・構造・施工に関する主に暗記項目が原口先生のイラストと、語呂合わせが豊富に載っています。※分からない所をすぐにひけるよう法令集のようにインデックスをつけているのは私のオリジナルです。
暗記項目を中心にギュッと1冊にまとめていますので、もちろん教科書ほどは詳しく書かれていませんが、「あの数値なんだっけ??」と思った時にサッと見ることができて重宝しました。1冊にまとまっているので模試や本試験ではお守り代わりにカバンに入れていました。
建築法規 スーパー解読術 新訂第5版
「建築法規 スーパー解読術 新訂第5版」(原口秀昭先生著)これも私のバイブル!これは先ほどに本に載ってなかった法規に特化したものです。こちらは法令集に沿って読み解き方や、先生独自の法令集のマークの仕方などが載っています。個人的には防火区画のマークの仕方はとてもわかりやすいのでお勧めです。※これも分からない所をすぐにひけるよう法令集のようにインデックスをつけているのは私のオリジナルです。
法規は学科の中で構造と同様、配点が一番高く得点源とすべき科目です。逆を言うと法規を得点源にできなければかなり苦戦を強いられます。また、全てを法令集でひいていると全く時間が足りません。法令集をひく問題と、内容や数値を記憶して解く問題とを切り分ける必要があります。そんな記憶の助けになるのがこの本でした。
インプット② YouTube
インプットをするにあたり、どうしても文章やイラストでは理解しにくい内容をYouTubeで検索してみました。私は設計だったので、やはり設備や施工についてはなかなか理解が追いつかず動画を参考にしました。
検索は簡単で、下記のように例えば「オールケーシング工法」と検索窓に入れると企業さんであったり色々なチャンネルが表示されますのでそれを見て理解を深めていました。便利な時代になりましたね。
まとめ
- 基本的にはアウトプット(問題を解く)が大切
- 騙されたと思って問題集をぐるんぐるん回していく事が近道 ※ただ、答えを勘違いして覚えていたり、理解してないのに答えだけを覚えていたりするケースがあるのが注意点
- 後半は穴埋め問題等で過去問を別角度から取り組めるようする
- インプット(知識を入れる)は後半が効果的 ※過去問の解説を理解するのはアウトプット時ももちろん大切
- 施工や設備などイメージしにくいものはYouTubeなどで動画を見る
勉強法は様々ですが、一級建築士学科試験の出題範囲がかなり広いのは事実です。学生時代のテストもそうだったと思いますが、1回問題を解いただけで覚えられる人は少ないと思います。ましてや直前に解かなかった問題はどんどん忘れていくものです。この海のように広い試験範囲の問題を何度も何度も繰り返し目にする、耳にする事でやっと覚えられるものだと思います。
一級建築士学科試験にこれからチャレンジされる方、応援しています!
コメント
コメント一覧 (2件)
みー様 子育てと仕事をしながらの取り組み、驚きと共に楽しく読ませていただいております。今年、学科受験を予定しております。少し教えていただきたいのですが、ブログの中で問題集○週などとありますのは、速学の12年分が一周でしょうか?よろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます。
ブログの中の問題集○周はおっしゃる通り、速学の12年分を1周とカウントしています。
市販の問題集などで20年分をこなされる方もいらっしゃいますが、私はあまり時間取れない方だったので丁度良かったです。
もし古い問題集を使用される場合は法規のみ気を付けられて下さい。法改正ががちょこちょこあるので今の法律に合っておらず混乱する原因になります。
他の教科はあまり変更ないと思いますが、法規だけは最新の問題集を用意される方がいいと思います。
速学の場合、そのあたりはとまとねこ先生が今の法律に合うように改訂していただいています。