法規の点数の伸ばし方 18→27点取れるようになった訳

一級建築士試験

一級建築士学科試験において法規は配点も30点と高く、得点源とすべき!と言われるほど大切な科目です。そんな法規が大の苦手で、R3(2021年)の本試験では18/30という成績だった私が、R3(2022年)6月の模試では30分の見直し時間を残して30点満点、本試験では15分では有りますが見直し時間を残して9割の27点と得点を伸ばしました。

色々勉強法はあると思いますが、私がR3に18点しか取れなかった理由、R4に独学で27点まで点数がUPした理由を書きたいと思います。色々な勉強法があると思いますが、独学でチャレンジされている方、法規の勉強がイマイチ進まないと言う方の参考になればと思います。

初年度の失敗の理由

失敗の原因はずばり全ての問題を法令集でひこうとしたことです。

<span class="fz-12px">初年度の</span>みー
初年度のみー

法令集の持ち込みが可能なんだから答え持っているようなもんでしょ

全部法令集でひけばいいよね!

と、かなり安易に考えていました…。

しかし、法規の本試験は1時間45分(105分)です。問題数は30問。1問当たりの選択肢は4問つまり30×4=120選択肢。単純に割り返すと1選択肢あたり1分もかけられません。また、面積等を出す計算問題もありますので、いかに素早く解くかがポイントになってきます。

ですので、R3本試験では全く時間が足りず、最後の方は当てずっぽうという有様。当てずっぽうで正解できたらみんな一級建築士になれます。勿論、そんな簡単な試験ではありません。そもそも、過去問を1周もできていないんだから解けるわけが無い。

そんなこんなで、実力なりに18点しか取れませんでした。(当たり前)

得点UPの方法

ではどうして、R4本試験で9割の27点を取ることができたのか。それはR3とは違い、覚えておいて解く問題と法令集をひく問題とを切り分けたからです。それによって見直し時間を残しつつ得点もできました。

また、勉強するにあたっての過去問への取り組み方法令集の線引きやマーカーの工夫もここで書きたいと思います。

法令集をひく問題とひかない問題

法令集をひくべき問題は主に、防火区画等耐火・防火内装制限構造強度(仕様規定に関する箇所)その他関係法令 この辺りかと思います。法令集の数カ所を飛びながら答えを導くような問題や、数値が多すぎて覚えきれないような問題あまり出てこない問題等です。

みー
みー

それぞれ得意な分野・不得意な分野があると思いますので、上記の単元はあくまで参考にして、自分が法令集をひく所・覚えておく所は自分にあったカスタマイズをして下さいね

ただ、これらの範囲も「ほぼ覚えてしまっていて、法令集を一切ひきませんでした」という強者も中にはいらっしゃいます。私はそこまでは覚えきれませんでしたが、やはり基本はあまり法令集をひかずに解けるようにするというのが大切だと思います。過去問を何周かぶん回していると、「あら?この問題よく見るなぁ」という問題がまぁまぁ出てきますのそれを覚えていくのがよいと思います。というか自然と覚えてきます

勉強する時の過去問への取り組み方

そもそも、「過去問解く時に1問15分くらいかかるんですけど…。」って言う人いないですか?いますよね。私も勿論そうでした。問題を睨みつけ、「この条文どこにあるんだ〜」と法令集をやたらぺらぺらしていました。そしてあまり問題数がこなせず、悪循環でどんどん法規が嫌いになりました。これを辞めましょう。

まず過去問1周目は法令集を一切ひきません。他の教科と同じく、早押しの如く問題をこなしていきます。例え分からない問題が続いてもです。ここで注意は、問題を分からないからといってすっ飛ばして行くのではなく、分からない→すぐ答え見る→内容を理解するor用語を覚えるor見ても分からないときは△や×などの印を入れる。ここは我慢です。法令集見ちゃダメ。そうしていくうちに覚えられる分野が増えていきます。

それから2周目か3周目くらいになってやっと法令集(線引き済み)を取り出します。が、ここでも注意。実務などで法令集に馴染みがあり「あの辺りに書いてあるから一発でひけるぞ!」という場合や、「同じような問題を解いてるから場所わかるよ!」という場合を除いて、ひくときは答えを見て該当する条文を確認してからひきます。何故なら、初めてひくときはめっちゃ時間かかるからです。勉強する時に時間無駄にしてはダメ。一級建築士試験の範囲が海のように広い事、時間に限りがある事を忘れちゃダメです。同じ単元の問題を続けてやる事で、この単元はここら辺に書いてあるのか。というのを叩き込みます。

法令集の線引き・マーカーの工夫

また、法令集をひく際のポイントとして、ひいた所で目立たせたい所は例え線引き済みであっても再度、線マーカー引きます。「ちょっと何言ってるか分からないんですけど」と言う方、落ち着いてください。大丈夫です。

要は問題集で触れた条文の中で、ここ大切という所に重ねて線を引くと、当たり前ですが濃くなっていきます。これが本試験での自分を助けます。各資格学校の線引き見本に従って線を引いていると思いますが、全体的に線を引いているためどこが大事なのかまだ分かりにくい状態なのです。ですので、線が濃くなっている所はより大事な所orよくひっかかる所という目印になります。本試験でパッと開いた時に目に飛び込んできます。

最近はフリクションで線引きされている方がほとんどだと思います。フリクション派の方は重ねて引いてもあまり目立たないので、下の写真のように目立たせるためマーカーを入れるのがお勧めです。ただ、どこもかしこもマーカーを入れると大事なところが埋もれていきますのでそこも程々に

令112条 防火区画の例

パッと開いた見開きの中からマーカー部分が目に飛び込んできます。また、各項を囲んでいる記号はそれぞれ面積(横長四角)高層(縦長四角)竪穴(○)を示しています。こちらの記号のアイデアは私のバイブル『建築士受験 建築法規 スーパー解読術 新訂第5版』(原口秀昭先生著)から頂いたアイデアです。これとっても分かりやすくてお勧めです。※記号については現時点(2023/1)では『「学科の試験」において使用が認められる法令集について』で認められていますが、これらの可否は年々変わる可能性が有りますので、必ず試験元の注意を読んで記入するようにしてください。絵とかはダメですよ

模試を受ける

さあここまできたら、あとは本番の練習。1時間45分(105分)、本試験と同じような環境で試験を受けます。総合資格のオープン模試が例年4月から始まりますので出来ればそこから毎月受けましょう。※勿論、他の資格学校のオープン模試でも大丈夫です。

あえて注意するとすれば、オープン模試は本試験の過去問のまま出題されることも多いです。そのため、過去問の問題自体を覚えてしまっていて時間を残したまま高得点できるパターンが結構あります。そこから一転、試験直前の7月に行われる有料模試は逆に見たことない問題が沢山出るケースもあります。実力を過信したり落ち込んだりせず、淡々と日々の勉強に取り組みましょう!

みー
みー

とは言え、この試験めっちゃメンタルやられるよね

どんだけ勉強さすねんって思うけど、やった分だけ必ず身についてきます

本試験での問題の解き方

前から解くか後ろから解くか

本番では、関係法令(後ろ)から解いた方がよいとか、色々解き方があると思います。個人的にはどっちでもいいけど、自分が決めた手順で解く方がいいです。もっと言うと、あまり色々考えず前から解いて行くのが良いと思います。理由は、マークミスを無くすため

本番では「いつもやらない事はやらない」のがミスを防ぐ最も有効な手です。法規は特に時間目一杯までかかる人もいるので、いつもの手順で落ち着いて取り組みましょう。本番ではかなり焦るため、信じられないミスをすることもあります。

みー
みー

余談ですが、私は大学のセンター試験 数II・Bでマークがずれているのを残り5分で見つけ

ブルブル震える右手を左手で押さえながら訂正した経験があります。

何が起こるか分からないのが試験。部活と一緒で、練習でやらないことは本番でやらないのが良いと思います。

全ての選択肢を解くのか

問題はそれぞれ4選択肢のなかから正しいと思うものまたは誤りと思うものを選びます。この文章のように正しいとか誤りというような表記のところは太文字になっているので、まずは逆を選ばないよう注意しましょう。誤りを選ぶ問題が比較的多いのですが、1肢目を読んで「これあってるからこれ!」というような逆の間違いをしないように。

まずは問題文を落ち着いて読み、次に選択肢をざっと全て読みます。ざっと読んだ中で、よく分からない選択肢は一旦保留して(何か印をつけておき)、次の選択肢を読んでいきます。いきなり法令集をひいてはいけません。次の選択肢を読み進めるうちに確実にこれが答えだというものに出会うパターンがあるからです。

また、後の見直しのために、正しい事を書いている選択肢に○よく分からなかった選択肢には?誤った事を書いている選択肢には×読んですらいないものは無印、というような自分でわかる印をつけておきましょう。これは自分がわかりやすい記号でOKです。これも模試の度に同じ印を使うようにしましょう。

過去問に取り組むときは圧倒的に一問一答形式のものがお勧めですが、本試験は四肢択一です。過去問と同じように1肢1肢に取り組むのではなく4肢をざっと読み、できれば法令集をひかずに答えを見つける。これが大事です。

せめて2択に絞ったどちらかを法令集でひくぐらいがいいと思います。3択以上残る場合は、その問題は一旦飛ばしましょう。ここまでやっているのに分からないなら、多分ほとんどの人が分からない問題です

まとめ

  • 過去問1周目は法令集見ずに解く(分からなかったらすぐ答えの解説見る)
  • 2・3周目から法令集をひく。最初は答えの解説に載っている条文を見てから法令集をひく
  • 線引き見本通りに引いた後の、マーカー等の法令集カスタマイズがお勧め
  • 本試験に備え、練習試合的に模試に定期的にチャレンジする
  • 本試験では選択肢全てを法令集引いちゃダメ
  • マークミス無くすためにできれば前から順番に解く(もしくは決まった手順で解く)
  • これだけやっても本試験でわからない問題はほとんどの人が分からない!焦らないで

法規は苦手にされている方も多いと思いますが、得点源となる科目です。逆を返せば法規で得点できないと学科合格は厳しい戦いになります。私にとっては計画の方が過去問だけでは対策が難しいと感じた科目でした。一方、法規はやるほどに答えてくれる科目です。頑張って下さいね!

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